食品中のPFAS分析 その3 (ベビーフード）

    ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(Per- and Polyfluoroalkyl Substances, PFAS) は、優れた特徴から様々な場面で使用されています。しかしながら、構造的に非常に安定であるため自然界で分解されにくく、環境中における残留性があります。 

    近年、人がPFASを含む食品を摂取することによる健康被害が懸念されており、様々な食品中のPFAS含有量を定量的に把握することは重要であると考えられます。特に乳幼児は大人に比べて体重当たりの摂取量が多く、免疫系や臓器が未熟であり、有害物質に対して感受性が高い傾向があります。そのため、ベビーフード中のPFASの濃度をモニターするためには、高精度かつ高感度な定量方法が重要です。 

    このアプリケーションニュースでは、食材に野菜を用いたベビーフード中に含まれるPFASをLC-MS/MSにて分析した例を紹介します。AOAC INTERNATIONALがターゲットとした30種類のPFAS1)について定量を行いました。前処理方法から検討し、添加回収試験において妥当性を検証しました。前処理におけるロスを低減し、LC-MS分析条件を最適化することにより、すべての化合物で0.01 µg/kgから良好な回収率を得ました。